法務省に行政文書開示請求を行い、検察官的確審査会運営細目の開示を受けたのですが、開示を行うよう連絡しても依然として法務省本体による開示が行われていない状況であるので、ここにその記載内容と開示を受けたファイルを置いておこうかと思います。(刑事行政についての情報開示は重要と考えます。刑事行政を正常化すれば社会はまともになるでしょう。)
以下、情報。
検察官的確審査会運営細目
検察官適格審査会運営細則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 検察官適格審査会(以下「審査会」という。)の運営に関しては,法令に規定するもののほか,この細則に定めるところによる。
(会議)
第2条 審査会の会議(以下「会議」という。)は,毎年1回以上開くものとする。
2 会議は,会長が招集する。
3 会議を招集するときは,その日時,場所及び議題を委員及び予備委員に通知するものとする。
4 委員が会議に欠席するときは,あらかじめ会長に届け出るものとする。
5 会議は,公開しないものとする。
(議事概要)
第3条 会議を開いたときは,会長は,速やかに,議事概要を作成しなければならない。
2 議事概要は,審査会において相当でないと認める場合を除き,公表するものとする。
第2章 定時審査
(審査の時期)
第4条 検察庁法(昭和22年法律第61号。以下「法」という。)第23条第2項第1号の規定に基づく定時審査(以下「定時審査」という。)は,3年ごとの会長が定める日(次条第2項において「基準日」という。)において,その日に在職するすべての検察官について開始するものとする。
(名簿の提出等)
第5条 定時審査に際しては,検察官適格審査会令(昭和23年政令第292号。以下「令」という。)第6条の規定に基づき,法務大臣から審査に付すべき検察官の名簿の提出を受けるものとする。
2 前項の名簿には,審査に付すべき検察官ごとに,その官職,氏名,生年月日,初任年月日及び現職発令日を記載するほか,次の各号のいずれかに該当する検察官については,その旨及びその事情を付記するものとする。
(1) 前回の定時審査が開始された日から基準日の前日までの間において,病気休暇により30日以上勤務しない日がある検察官
(2) 直近5年間の人事評価における能力評価が,2回以上,Dである検察官
(3) 直近5年間において,2回以上,直接責任による懲戒処分を受けたことがある検察官
(4) 事務処理の状況,勤務態度,言動その他の事情に照らし,その適格性に疑いがあると認められる検察官
(審査会による調査)
第6条 審査会は,定時審査に付された検察官に不適格の疑いがあると認めるときは,当該検察官について調査を行うことができる。
2 調査は,令第6条及び第7条に規定するもののほか,関係者から事情又は意見を聴取し,関係機関に対して資料の提出を求め,その他適当と認める方法により行うものとする。
3 審査会は,調査を行うため必要があるときは,法務大臣に対し,弁護士その他の専門的知識を有する者に調査専門員を委嘱し,当該調査に係る事務を補佐させることを求めることができる。
4 審査会は,1人以上の委員に調査を行わせることができる。ただし,令第7条第2項に規定する手続は,審査会が行わなければならない。
5 前項の規定により調査を行う委員は,当該調査に関し,審査会と同一の権限を有するものとする。
6 第4項の規定により調査を行う委員は,その調査結果を審査会に報告しなければならない。
7 令第7条第2項の規定により検察官に対し会議に出席して弁解し,かつ,有利な証拠を提出する機会を与えた場合において,当該検察官が病気その他のやむを得ない理由により会議に出席することができないときは,会長は,1人以上の委員又は法務省大臣官房人事課長に当該検察官から弁解を聴取させ,かつ,有利な証拠の提出を受けさせて,その結果を審議会に報告させることができる。
8 調査を行うに当たっては,検察官の職務の適正な遂行に不当な影響を与えることがないよう留意しなければならない。
第3章 法務大臣の請求による随時審査
(審査の開始)
第7条 法第23条第2項第2号の規定に基づく随時審査は,同号に規定する法務大臣の請求(以下「審査の請求」という。)があったときに,速やかに開始するものとする。
2 審査の請求があったときは,令第6条の規定に基づき,法務大臣から当該検察官が不適格であると認める理由を記載した書面及び当該検察官の適格性に関する資料の提出を受けるものとする。
3 会長は,審査の請求があったときは,その旨を当該請求に係る検察官に通知するものとする。
(準用)
第8条 第6条の規定は,法第23条第2項第2号の規定により随時審査に付された検察官について準用する。
第4章 職権による随時審査
(審査開始決定)
第9条 審査会は,法第23条第2項第3号の規定に基づく随時審査を開始するときは,その旨の決定(以下「審査開始決定」という。)をするものとする。
2 会長は,審査開始決定があったときは,その旨を法務大臣及び審査に付された検察官に通知するものとする。
(審査の申出があった場合の措置)
第10条 次の各号に掲げる事項を記載した書面(電子メールを含む。)により特定の検察官を随時審査に付すべき旨の審査会に対する申出(以下「審査の申出」という。)があったときは,法務省大臣官房人事課長において,第3号に規定する事実の存否その他審査会が審査開始決定をするかどうかを判断するために必要と認められる事項について調査した上,その審査の申出の内容及び調査結果を審査会に報告しなければならない
(1) 審査の申出をする者の氏名,住所及び連絡先
(2) 随時審査に付すべき検察官の官職及び氏名
(3) 当該検察官が不適格であると思料する理由となる具体的な事実
2 会長は,審査の申出があった事案について審査開始決定をしないこととされたときは,その旨を法務大臣に通知するものとする。
3 会長は,審査の申出があった事案について,審査開始決定があったとき又は審査開始決定をしないこととされたときは,その旨を当該審査の申出をした者に通知するものとする。ただし,当該審査の申出をした者が通知を希望しない場合は,この限りでない。
(準用)
第11条 第6条の規定は,法第23条第2項第3号の規定により随時審査に付された検察官について準用する。
第5章 議決
(議決書を作る場合)
第12条 審査会は,次に掲げる議決をするときは,議決書を作るものとする。
(1) 検察官が職務を執るに適しない旨の議決
(2) 審査の請求又は審査開始決定があった検察官について,職務を執るに適しないとは認められない旨の議決
(議決書の記載事項)
第13条 議決書には,議決の趣旨及び理由を記載し,当該議決に関与した委員又は予備委員が署名するものとする。
(議決の通知等)
第14条 会長は,法第23条第3項前段に規定する議決があったときは,同項前段の規定に基づいて,当該議決を法務大臣に通知するものとする。この場合において,当該議決が第12条各号に掲げるものであるときは,議決書の写しを添付するものとする。
2 会長は,第12条各号に掲げる議決があったときは,当該議決を審査に付された検察官に通知するものとする。前項後段の規定は,この場合について準用する。
3 会長は,審査の申出に基づいて審査開始決定があった事案について前項の議決があったときは,その要旨を当該審査の申出をした者に通知するものとする。第10条第3項ただし書の規定は,この場合について準用する。
第6章 補則
(資料提出等)
第15条 次の各号のいずれかに該当する検察官については,令第6条の規定に基づき,会議(当該会議において,第5条第1項に規定する名簿の提出を受ける場合を除く。)を開く都度,法務大臣から関係する資料の提出を受けるものとする。
(1) 直前の定時審査の際第5条第2項第1号に該当した検察官(当該定時審査が開始された日において現に病気休暇中であったものに限る。)であって,引き続き病気休暇中であるもの
(2) 第5条第2項第2号から第4号までに掲げる検察官
2 次に掲げる事項を記載した書面(電子メールを含む。)により情報の提供があったときは,法務省大臣官房人事課長において,これを取りまとめ,明らかに関係のないものを除き,すべて審査会に報告しなければならない。この場合において,会長は,必要があると認めるときは,会議を開く前においても,同課長に事実の調査を行わせることができる。
(1) 情報を提供する者の氏名,住所及び連絡先(情報を提供する者が団体である場合にあっては,名称,所在地及び連絡先)
(2) 当該検察官の官職及び氏名
(3) 検察官の適格性に関する判断に資すると認められる具体的な事実
(広報活動)
第16条 審査会は,その活動について国民の理解が深められるよう適切な広報活動を行うものとする。
附則
この細則は,平成16年3月15日から施行する。
附則(平成22年2月10日)
(施行期日)
1 この細則は,平成22年2月10日から施行する。
(経過措置)
2 この細則の施行前にされた勤務評定における総合評定のE及びFは,この細則による改正後の検察官適格審査会運営細則第5条第2項第2号の人事評価における能力評価のDとみなす。